2024年3月22日
【卒業生お仕事図鑑】独立行政法人国際協力機構(JICA)
【卒業年月】2021年3月
【卒業学科】ロシア学科
【卒業高校】兵庫県立明石西高校
勤務先の企業について教えてください。
独立行政法人国際協力機構(JICA)にて2021年4月から働いています。JICAは日本の政府開発援助(ODA)の一元的な実施機関として、「信頼で世界をつなぐ」というビジョンのもと、150以上の国で教育や保健医療、インフラ整備、経済政策など多様な課題の解決に取り組んでいます。
インド人学生にJICAの高等教育支援の概要について説明
ウズベキスタンへの出張時に、現地の研究員や関係者らと
現在のお仕事の内容について教えてください。
現在、人間開発部という教育、保健、社会保障分野を司る部署に所属しており、そこで高等教育分野を担当しています。高等教育というとイメージが湧きにくいかもしれませんが、大学づくり(カリキュラムや規程づくり)や日本と海外の大学同士の連携強化に取り組める面白い分野です。
具体的には、トルコの大学設立支援やインド、ウズベキスタンの学術連携促進(留学生の受入など)、在ポーランドのウクライナ避難民向けのIT研修の案件を担当しており、現地のカウンターパートや国内外の教員、開発コンサルタント等、外部の関係者と連携しながら、プロジェクト管理をしています。
インド工科大学ハイデラバード校への出張
現在のお仕事を選んだ理由?きっかけは何ですか?
大学休学中にキルギスの学校に勤務していた経験から、キルギスと日本の教育格差や経済発展の差を実感したことが国際協力に関心をもったきっかけの一つです。ボランティアとして活動する中で、個人レベルでのアプローチに限界があることを実感し、幅広い分野で国の課題解決に携われるJICAで働くことを志望するに至りました。
キルギスと日本の相互紹介の会で日本について紹介
神戸市外大での学びが社会(企業)で生かされていると思うことは何ですか?
外国語を通して様々な価値観に触れた経験が、多角的に物事を捉える力に繋がっていると感じます。また、中央アジア諸国の方々とお仕事をする際に、ロシア語でのコミュニケーションが役立つことが多々あるのも個人的には嬉しいです。
社会人になってから在学中にしておけば良かったと思うことはありますか?
関心のあることにもっともっとチャレンジすれば良かったと思います。学生時代は、ロシア語コンクールや通訳ボランティアなど多くの課外活動にチャレンジしたほか、部活動やアルバイト、海外旅行なども幅広く楽しんでいましたが、社会に出てみて、周りにはずっとずっと広い世界が広がっていることを知りました。それが今の自分のモットーにもなっているのですが、「いい意味でミーハーでいること」が、今後の関心を広げることにもつながってくると思います。
ESS部の活動で、英語弁論大会を主催したときの写真
外大祭にロシア語クラブの活動で、ブリヌイ(ロシアンクレープ)のブースを出展
神戸市外大を志望した理由を教えてください!
英語以外の外国語を学ぶことを通して、異文化に触れてみたかったのが一番の理由です。中でも、クラシックバレエを習っていた経験からロシア文化に関心があったので、ロシア語に挑戦してみようと思いました。
神戸市外大で楽しかった授業はありますか?
楽しかった授業はたくさんあるのですが、やはりロシア専攻関連の授業が印象に残っています。特に「ロシア語特殊講義」で翻訳を学んだことで、言語学そのものへの関心が深まりました。
その他、「ロシア文化入門」という授業では、ひたすらソ連映画を観ていた印象なのですが、自身の知っていた「ロシア」のイメージをより深めるきっかけになりました。
ロシアに留学している同級生とロシア旅行(クラスノダール)をしたとき
在学中の思い出について教えてください。
キルギスでの日本語教師ボランティアの経験です。ロシア語を学ぶだけでなく、言語を通して一つの国を見てみたいと思い、身一つで首都郊外の私立学校へ飛び込みました。言語の壁にぶつかりながらも、歳の離れた教師と異なる文化?価値観の中で働いたことは、今の仕事にも活きていると感じます。
日本語教師ボランティアとして担当していた6年生と
最後に外大生や外大を目指す受験生へメッセージをお願いします!
神戸市外国語大学には、様々なきっかけで言語や国際文化に関心を持った人たちがいるので、「一期一会」を大切に過ごしてほしいです。そして自分の関心のあることにはどんどん飛び込んでチャレンジして、ぜひ世界を広げていってください!