2021年11月26日

【神戸市外大魅力発信事業 開催報告】第6回(第2部 第2回)「イーハトーブをここに―賢治作品に秘められた音楽」

神戸発!音?声?ことば―新たなつながりを求めて― 」

第2部 「イーハトーブ」をここにー 古から未来へのメッセージ ー 後援:岩手日報社

第2回「イーハトーブ」をここにー 賢治作品に秘められた音楽ー 協賛:「神戸=いわて花巻」線を運行するFDAフジドリームエアラインズ

 11月22日(月曜)、三木記念会館を会場に、オンラインで第6回(第2部?第2回)講演会「イーハトーブをここに―賢治作品に秘められた音楽」を開催しました。

 宮沢賢治生誕125周年を記念し、賢治の描いた理想郷=「イーハトーブ」を神戸に再現しようと試みた今回の講演会は、宮沢賢治の実弟、清六氏の孫である宮沢和樹さんと和樹さんの娘の香帆さんをお迎えし、宮沢賢治と清六氏の関係性や、賢治と音楽についてのお話をしていただきました。

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 今回は、今年度の魅力発信事業の最終回ということもあり、冒頭で田中悟学長より「コロナ禍で不自由な生活を強いられ、心が荒みがちな世の中であるが、詩や音楽は人々の心を劇的に変える力を持っている。この講演会が視聴者の心に訴えかけ、勇気づけるようなものになることを心より願っている。」と挨拶をし、岩手県が航空機を利用すると東京に行くのとは変わらないくらいの距離であることを述べ、岩手県にも足を運んでほしいと締めくくりました。

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 講演会本編では、宮沢和樹さんがまず最初に家系図を見せながら宮沢家の血縁関係について紹介。

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 賢治が5人兄弟の兄だったこと、妹が3人いて和樹さんの祖父、清六氏だけが男兄弟だったため、清六氏のことをよく可愛がってくれいたというエピソードを朴訥とした温かい語り口で、話してくださいました。

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 37才でこの世を去った賢治は、弟である清六氏にそれまでに書いていた自身の原稿を託し「どこでも良いから本にしてくれるところがあったら、本にしてほしい」と頼んだ、よく見る宮沢賢治の全身写真は、「ベートーベンの真似」だった、清六氏が最初に防空壕に持ち込んだのは賢治の原稿類だったなど、親族だからこそのエピソードをたくさん披露してくださいました。

 また賢治が購入し、現存するのはこの1台という賢治の貴重なバイオリンで、賢治にまつわる曲を和樹さんの娘である香帆さんが何曲か演奏し、会場の参加者たちはうっとりとした顔で優しい音色に聞き入っていました。

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 時を超えて弾かれたバイオリンの音色と宮沢賢治と清六氏の兄弟ならではのエピソードなどの話により、終始、柔らかな雰囲気で、講演は終了いたしました。

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講演後に届いた視聴者からの感想を一部紹介します。
たくさんの方に感想をお送りいただきました。ありがとうございました。

講演後に届いた感想(一部抜粋)

今回に限らず、魅力的な出演者の方々による連続講座は本当に素晴らしいと感じました。
岩手に住んでおりますが、賢治さんについてもなかなか今回のような素晴らしい企画に触れる機会は少ないように感じます(私が無知なだけの可能性も高いのですが)。コロナ禍でオンラインが身近になった昨今だからこそ、全国どこにいても、素晴らしいプログラムに触れる機会を提供していただければ幸いです。

本当に素晴らしい講演会で、あっという間に時間が過ぎてしまったようです。知らなかったことが多く、驚きも多かったです。宮沢賢治さんの作品を一生懸命守った宮沢清六さん、ご家族の方々の努力は想像しきれないものでした。現在、宮沢賢治さんの作品を読むことができるのも、高村光太郎さんの存在があってこそというのを知ることがてきて良かったです。人と人の巡り合わせは本当にすごいものがあると思いました。
宮沢賢治さんの人柄や作品を今知ることがてきるのも、ご家族のご尽力があったからだと思うと、感動の思いでいっぱいです。
今日の講演会の香帆さんの演奏が素晴らしく、心が温まりました。
和樹さんの穏やかな話しぶりや「賢治さん」という柔らかな表現がとても心に沁みました。
ご家族のことや高村幸太郎さんとの関係など、作品を読んだだけでは知らなかった貴重なお話を伺えてよかったです。
十年以上も前ですが、宮沢賢治記念館に行ったことがあります。
直筆原稿を見ましたが、燃えたものがあったか覚えていないのでまた機会があれば花巻に行きたいです。
賢治の原稿は原稿用紙の外にも書き込みがびっしりありましたが、雨ニモマケズの北に「行ッテ」がないことなど、出版の際にどのようにして未完の作品をまとめ上げたのか編集のお話などもお聞きしたかったです。
やよいさんのピアノと香帆さんのヴァイオリンもとても素晴らしい演奏でした。
ありがとうございました。
なんとなく見知っていた賢治さんに関するものごとが、まるで映画でも見ているように色や音がついた映像で立ち上がってくるようで、時空を超えて見に行って来られたような気持ちになりました。清六さんから和樹さんへと受け継がれた「語る言葉」に宿る力はすごいですね。
小巖仰さんが、北海道で北欧アーティストの音楽公演をされる際に、何度かお手伝いなどをさせていただいたご縁で、今回の事業を知りました。
第一部、第二部、一連の講座、聴かせていただきました。
どの講座からも気づき、自分の経験とのシンクロ、そこから展開するヒントなどをたくさんいただきました。ありがとうございます。