国際関係学科教授
大石高志 (おおいしたかし)
Professor
Takashi Oishi

MESSAGE

半世紀前までは植民地支配や帝国主義の只中にあったアジアやアフリカの多くの地域。現在、一部では経済発展が著しいですが、今なお、政治的な混乱?対立、経済的な停滞?貧困、社会?文化的な緊張が続いています。しかし他方、これらの地域は、歴史的に見ると、自然生態的な環境や資源、人的な文化などの面で多様性に富んでおり、その前提のなかで、有機的な繋がりや交流によって社会的柔軟性や異種混淆性が育まれてきたことも事実です。このことから、研究では、やや長めの歴史的時間軸を設けて、南アジアと環インド洋地域、そしてムスリム社会を対象にして、植民地期から現在まで続く在地社会の「内在的活力」や「潜在的創造性」を積極的に描くように心掛けてきました。また、この作業の一部として、開港後の神戸に滞留したインド人商人とその広域ネットワーク、さらにそれに担われたアジア間貿易やその対象となった京阪神地域の様々な雑貨(布、マッチ(燐寸)、硝子製装身具、木製品など)について探求を進めています。

最終学歴 Degrees

東京大学教養学部教養学科アジア分科卒業(教養学士)
東京大学大学院総合文化研究科地域文化専攻(学術修士)
東京大学大学院総合文化研究科地域文化専攻博士課程単位取得満期退学

研究分野 Research Field

近現代アジア、とくに、インドを中心にした南アジアや環インド洋地域(アフリカ東南部沿岸地域)に関する歴史研究や地域研究を専門としており、さらに、アフガニスタンから西アジアへ連なるムスリム(イスラーム教徒)多住地域も視野に入れている。具体的には、ナショナリズムや民族問題、宗教?文化的な表現を取った緊張や拮抗などの政治?社会的事象に関する研究。さらに、ヒトやモノの移動性を焦点にした社会経済史研究。

Post-Colonial Studies; Modern South Asian Studies; Comparative Islamic/Muslim History; Indian Ocean History; History of Indo-Japan Relations

教育研究業績 Recent Publications and Presentations

教育研究業績はresearchmap